1985年6月、習近平氏は厦門に赴任しました。翌年の8月、厦門市委員会・市政府は習近平氏の提案を承認し、厦門の中長期的な発展戦略の研究・策定に着手しました。この“1985年-2000年厦門経済社会発展戦略”は、厦門の発展に基盤的かつ全局的な深い影響を与えました。それ以前の1984年初頭、鄧小平氏が厦門を視察し、厦門特区を当初の2.5平方キロメートルから厦門島全域に拡大させ、自由貿易港の一部の政策実施を承認しました。厦門の15カ年発展戦略は、開放という新たな状況下において、厦門の長期的な発展を図る戦略的な構想になっています。習近平氏は戦略研究弁公室の設立を主導的に計画し、厦門の実情に基づいて、21の特定の研究テーマを定め、1年半かけて、厦門史上初の包括的な発展戦略を作り上げました。この戦略は、厦門市の都市の位置づけと特区の発展モデルを明確にしました。産業発展の構想を打ち出すとともに、生態環境の保護に関する問題も明確に提起しました。それは今から40年も前の、1980年代の出来事なんですよ。戦略をめぐる研究と実施過程から見れば、いくつかの側面において、重要な取り組みと啓発的経験が挙げられます。まず一つ目は、“科学的な論証”を重視することです。15年間の発展戦略を立てるために、21の研究テーマを定め、専門家や第一線で働く労働者を集め、100人規模の研究チームを結成しました。統計予測、投入産出、計量経済モデルなどの高度な定量分析手法を採用し、さらにシンガポールまで赴き、調査研究を行い、国際セミナーを開催するなど、発展戦略の構想、措置、目標、課題について繰り返し研究・検証を行ってきました。

　　二つ目は勇敢に“改革と革新”に挑むことです。厦門は率先してコンピュータの応用技術、情報処理技術、海洋開発とバイオエンジニアリング等の新興技術の開発を考案しました。電子技術などのハイテクノロジーを生かして伝統産業をアップグレードさせ、新興産業を発展させ、“技術複合体”を形成しました。“小さな政府、大きな社会”の原則に従い、コンパクトで効率的であり、清廉で団結した特区管理機構を設立することなどを打ち出しました。2002年、福建省の省長を務めていた頃、習近平氏は再び、厦門島の枠を越え、島嶼型都市から湾岸型都市へと転換する重要な戦略を打ち立て、先を見通す大きな戦略的なビジョンと革新的な構想を示しました。 三つ目は、“人民至上”を堅持することです。発展戦略で設定された6つの戦略目標のうち、住民の所得向上、文化・教育・衛生・体育など、直接人々の暮らしに関わる指標が半数にまで達しており、生活改善の方向づけが鮮明に示されています。また、戦略の実行過程において、習近平氏は島嶼、高山地域、工場、キャンパスといった現場において、民衆が直面している問題の解決に取り組み、篔簹湖の総合的改修を考案し、厦門軍営村等の貧困村が貧困状態から抜け出すため全力で取り組みました。これは、習近平氏が人々が解決を待ち望む喫緊の問題があることを心に留め、誠心誠意、人々の幸福に繋げたいという政治業績理念を十分に表しています。厦門15カ年発展戦略の指導のもとで、数十年にわたる奮闘を続けてきた結果、厦門は今や、海防前線としての町から、顔面偏差値が高く、質の高い国際現代都市へと成長してきました。実践を通して証明されているように、厦門15カ年発展戦略は、都市発展の法則に従い、中長期的な戦略で発展に導いた成功例と言えます。そこには先進的な理念、戦略的思考、科学的方法が含まれており、時が経つに連れて洗練されていき、今日でも重要で現実的な指導的意義を持っています。